スンホン妄想劇場・・・第7弾フラワー(後編)

懲りずに後編いってみます。

一気にいこうとしましたが、あまりに長いので、ここは一つ完結編を作ることにしました。

まぎらわしいことしてすいません。

週末の夜長・・・・いかがでしょう?


「オッパァ、電話くれないね・・どうして・・男のバイクになんか乗ったから、嫌いになった?・・・は、もしかして彼氏だと思ったのかなぁ!やきもちかなぁ!だとしたらうれしいけど・・オッパァ、声が聞きたいよ!・・電話してみようか?まだ、起きてるよね!寝てるかなぁ!起こしたら、可哀想だし・・もう!どうして、あやまってこないの!・・
いつも、「さっきはごめん」って言ってくれるのに・・・オッパァ・・」
結局、ミヌからは何の連絡もありません。チャンミは、いつまでも携帯を握り、待ち続けました。


次の日
「やだぁ、昨日泣きながら寝ちゃったから、顔が・・・ジソプさんにおこられるよ~!こんな顔で仕事いけないよ!どうしよう・・」
ピンポーン
「どなた?」
「俺」
「オッパァ!」
(チャンミ!なんて顔だ!)
「会社まで送ってやるよ。したく出来てるか?」
「ほんと?もうちょっっと!中で待ってて」
「いや、いい。下にいるよ。早く来いよ」
「う、うん。」
(なんか変だな、今日のオッパァ。なんだろ)


「はーい!お待たせ~」
「おはよう!チャンミちゃん」
「オンニー?オンニも一緒だったんだ。」
「そうなの。少し買い物があって、一緒に連れてきてもらったの」
「チャンミ、後ろに乗れ!」
「は、はい」
「チャンミちゃん、少し顔が・・泣いたの?どうかした?」
「いえ、オンニ。昨日見た映画がちょっと悲しくて」
「まぁ、そうなの?でも気をつけなくちゃ、モデルは顔が命よ」
「はい、今度から気をつけます」
「スタジオって行ってみたいわ。どんなところ?」                 
「オンニもモデルになれますよ!綺麗だから」
「あら、ありがとう!うれしいわ!」
「今度、来てください!許可貰っときますから」
「そうね!一度みてみたいわ、ね!ミヌさん?」
「え、は、はい!そうですね。また。今度」
「そういえば、ミヌさんも充分綺麗よねぇ!モデルのようだわ」
「やめてくださいよ。ヘオンさん、そんなこと考えたことないですよ、やだなぁ!」
「ミヌさん、照れてるの?ウフフ・・」
「オッパァ」
「なんだ」
「昨日の人ね」
「あぁ、今度連れて来い。サムチュンとあってやるよ」
「違うの!彼は・・」
「着いたぞ」
「オッパァ」
「・・・こ・ここなの?チャンミちゃんの会社」
「え、ええ、オンニ知ってるんですか?」
「え・いえ・知らないわ、ミヌさん、早く行きましょ!」
「はい。じゃぁな、チャンミ」
「う・うん。ありがとオッパァ、オンニも気をつけて帰って!」
「またね!チャンミちゃん」
(チャンミ・・、また傷つけてしまった。ごめんごめんよ!チャンミ)

ヘオンの様子が変でした。
「ヘオンさん、どうかしましたか?」
「あ、いえ、何でも」
「顔色が悪いですよ?」
ゴンゴン!
信号待ちしていたミヌの窓ガラスを誰かがたたきました。
「なんですか?」
「やっぱり!ヘオンさん!」
「え?ヘオンさん?」
「青よ!ミヌさん!行かなくちゃ!」
「え、えぇ」
「待って、待ってください。知り合いなんです!ヘオンさん!」
「知りません!ミヌさん、早く!」
「そうですか?手を離してください!危ないですよ」
「本当に知り合いなんだ!おい!待てって!ヘオンさんーー!」
ミヌの車は走り出しました。助手席でヘオンは真っ青です。
「大丈夫ですか?ヘオンさん!止めましょうか?」
「い、いえ!ダメよ!止めないで!」
「今日は一旦帰りましょう。ヘオンさん、いいですね!」
「・・・・」
(あれが、父親か?こんな近くにいたのか?)
ミヌは、さっきの男の人を思い浮かべました。



(あれは、絶対ヘオンさんだ!隣の男は誰だ?彼氏ってわけじゃないよな!あぁぁ、こんがらがってきた、どうやって、捜せば、あぁ、ナンバー・・・思い出せない!ちくしょう)
「サンウさん?でしたよね」
「あれ、えっと君は、何でもない友達の・・・・」
「チャンミです。ユン・チャンミ、おはようございます。お仕事この辺なんですか?」
「あぁ、そこだよ!君は?」
「えー!私と一緒ですね!ここで、モデルしてるんです。」
「そう、僕は秘書なんだ!モデルって、君、その顔?」
「やっぱりわかりますか?やっぱり・・うっ・」
「お、おい、どうしたんだ?こんなとこで泣かないでくれよ。弱ったなぁ」
「朝から、すごいじゃないですか、サンウ君!会社の前はどうかと思いますけど」
「ゴヌ!」「アジョシ!」
「やぁ、チャンミ君、サンウが泣かせたかい?」
「アジョシーー!!ウワァァアン!」
抱きつくチャンミに
「おいおい、高いんだよ、このスーツ!やれやれ」


「何々、僕のせいって言いたいんですか?」
「そうよ!オッパァに説明して!」
「やれやれ、参りましたね!忙しいんですが・・・」
「アジョシーー」
「あぁ、もう、泣かないで!」
ピー
「はい、社長」
「ソ・ジソプ君を呼んでくれないか」
「わかりました」
コンコン!
「ソ・ジソプです。」
「入りなさい」
「何か、社長・・・チャンミ?何でおまえここに?何かやったのか?わあ!なんだ?その顔は・・」
「ゴホン!あ、まず、掛けてください」
「は、はい!すいません、社長」
「君は、この子のオッパァ君と友達だとか?そうですか?」
「は、はい!ミヌですか?」
「そうそう!彼に会いたいんですけど・・どうですかね?」
「え、なんで?社長が?チャンミ!何かしたのか?」
「君もせっかちだね!昨日送ったのは僕だ!わかるかね!」
「え、えーー?え?はぁ?」
「僕のせいでオッパァ君が、怒ってしまったから、どうにかしろ! って言われてね」
「社長が、相手だったんですか?」
「まぁ、ちょっと事情があってね。それで、オッパァ君に会いたいんですが」
「え、まぁ、そういうことなら、連絡してみますが・・いつがいいんですか?」
「日曜の夜はどうでしょう?」
「アジョシー!そんな先?」
「こら!チャンミ!社長は忙しいんだよ、わかりました。言っておきます。」
「すまないね!明日から出張なんだ。」
「・・・」
「チャンミ君は、今日は仕事にならんでしょう!サンウに送らせよう」
「いえ、僕が連れて帰ります。丁度、外回りに出ますので・・さ、チャンミ」
「う・うん・・アジョシ!失礼します」
「ゴヌさんって呼んでくれるんじゃなかったの!大丈夫!解決してあげるから」
「ありがとう、ゴヌさん」
「気にせず、ゆっくり眠りなさい。はれも引くから、じゃ、ジソプ君たのんだよ」
「は、はい。失礼します。」


「チャンミ」
「はい、ジソプさん」
「社長とはどんな知り合い?」
「あぁ、昨日お見合いしたんです。あ、でも、結婚なんてしませんよ!」
「彼も、そう思ってる?」
「アジョシは好きな人がいるんです。ちょっと事情があるから、あたしは、カモフラージュなんです。そのこと、オッパァに説明したかったんですけど・・」
(そうか、見合いか、まぁ、養女とはいえ、ユン財閥だからなぁ!どうする?ミヌ?)
「ジソプさん?」
「ん?あぁ」
「ジソプさんからも説明してくださいね!私にはオッパァだけだって!」
「そんなに好きか?」
「いまさら、聞くんですか?」
「だって、兄さんじゃないか?」
「兄さんじゃないわ!ジソプさんまで、そんなこと!」
「悪かった。でも、ミヌは妹だと思ってるんじゃないのか?」
「・・・ジソプさんにも、そう見えるんだ・・・。そうなんだ・・。」
「あぁ、チャンミ、聞いたわけじゃないからな?そう、気を落とすな。めげないチャンミだろ?え?いつもの笑顔はどうした?」
「・・・オッパァがいないと・・笑えないの・・エヘヘ、変だよね」
「チャンミ・・」
(まったく、おまえたちは困ったもんだ・・・俺はどうすりゃいいんだ)


「ヘオンさん、着きましたよ。医者に行かなくていいですか?」
「だ、大丈夫です。少し休めば、ごめんなさい。せっかく出かけたのに」
「そんなことはいいんですけど・・・聞いていいですか?ヘオンさん」
「・・・彼ではありません。彼では・・子供のことは知られたくないんです。お願いします。もうしばらく、もう・・」フラ~
「ヘオンさん!大変だ!サムチュン!来てくれ!サムチュン!」
「おぉ、ミヌヤ、どうしたんじゃ?ヘオンさん?なにがあった?」
「とにかく2階に寝かせよう」

ヘオンを寝かせ、二人は店に下りてきました。
ミヌは、サムチュンに今朝のことを説明しました。
「そんなことがあったのか?」
「あぁ、知らないと言ってたけど・・父親かと思ったら、違うって言うし。捜してるみたいな感じだった。どうする?サムチュン。調べてみるか?」
「そうだな、ヘオンさんに気づかれてもいかんぞ!そっとやれ!そっとな。」
「そうだね。事情がわかるまで、刺激しないほうがいいだろうね」
「相手の男の顔、覚えてるか」
「あぁ、憶えてる。2・3日、あのあたり回ってみるよ」
「そういえば、チャンミはどうしとった?」
「なにが?」
「なにがじゃなかろ?今日は朝飯にもこんかったじゃないか?ちゃんと食べたかの?」
「子供じゃないんだから、腹が減ったら食べるさ、そろそろ、開けようか」
「う~ん、それはそうじゃが・・・ほれ、電話しろ!」
「な、なんでだよ?」
「夜はここに寄れって!顔をみんと心配じゃ!ほれ」
「だ、大丈夫だよ!1日じゃないか。気が向いたら寄るさ!ほら、開店するぜ!」
「おい、ミヌ、ほれ、早く・・・・・まったく、どれ、わしがしよう」
リーンリーン♪
「はい、チャンミです」
「チャンミや、テプンじゃ!」
「あぁ、アジョシ。こんにちは、どうかしましたか?」
「今日は、夜、店に寄るだろ?実はなぁ・・」
「アジョシ、すいません。今日は遅くなりそうなんで、そのまま帰ります。また、寄りますから・・・・あの、オッパァは?」
「そりゃ残念じゃ、ミヌか?もちろんいるよ。店を開ける時間じゃから・・・替わろうか」
「あ、いいです。ジャマしちゃいけないから、じゃ、また、・・」
「チャンミや、元気がないぞ!どうした?」
「ちょっと風邪気味だから・・・平気ですから・・」
「おい、チャンミや?」
「どうした?サムチュン」
「チャンミに、振られたよ。元気のない声だったがの、・・」
「そう、あとでジソプに電話して聞いてみるよ」
「そうしてやってくれ・・・心配じゃ・・あんな声は初めてじゃ」
「わかったよ」


夕方、夜の営業までしばらくあります。ミヌはジソプに電話してみることにしました。
タリラ~タリラ~タラリラ~ラ♪
「おう!ミヌ、なんだ?」
「う、うん、ちょっと聞きたいことが」
「・・チャンミか?」
「あ・うん・いや・まぁ」
「なんだよ!忙しいんだけど、切るぞ!」
「いや、待てって!サムチュンが気にしてるんだ」
「マスターが?なにを?」
「さっき、電話したら、元気がなかったって・・風邪気味だって。おい。おまえのとこは体調悪くても働かせるのか?おまけに遅くまで!」
「心配か?」
「いや、ほら、サムチュンが、」
「ミヌ」
「おまえの会社だからまかせたんだ!もっと気を使ってやれよ!」
「チャンミは、今日は帰ったよ」
「え、だって、遅くなるから寄れないって」
「さあな、今頃熱出して倒れてるかもな?」
「おまえ、一人で帰したのか?」
「いい加減にしろよ!ミヌ!心配なら自分で見て来い!じゃ、切るぞ!」
「お、おい!待てよ、ジソプ!」
「なんじゃ、どうした?え、ミヌ?」
「サムチュン、ちょっと出てくるよ」
「お、おい!ミヌ!どこ行くんじゃ!こら、店はどうする!おい!はぁ、いっちまった。やれやれ、」
「マスター」
「おぉ、ヘオンさん、起きてきて大丈夫か?」
「はい、もう、大丈夫です。たびたびすいません。ミヌさん、どうかしたんですか?」
「急に、『出てくる』って飛び出しってったわ。まったく店はどうするんじゃ!」
「どこへ行かれたんですか?行き先も言わずに」
「言わなくても、あいつが血相変えて飛び出すのは、チャンミのとこしかない」
「まあ、そうなんですか。何かあったのかしら?」
「さあな、ついたり離れたり、あいつも大変じゃ」
「マスター、じゃ、私が手伝います。」
「いやいや、一人でも大丈夫だよ、休んでなさい」
「平気です。無理はしませんから、ね、マスター!少しは動かないといけないんですよ、自分の為なんです。お手伝いさせてください」
「そ、そうなの?わしはわからんからの。じゃ、絶対無理せんでな!」
「はい、マスター!頑張ります。」
「いやいや、頑張っちゃいかん。ほどほどじゃ」
「まぁ、ウフフ!そうでした。ほどほどに、頑張ります」
「はいはい、頼みますよ」
明るく笑うヘオンに、テプンは、少し安心しました。



勢いよく飛び出したもののミヌは、チャンミのアパートの前で立ち止まっていました。
部屋の電気はついていましたから、部屋にはいるはずです。
(たいしたこと、ないさ!きっと寝てる。風邪気味、気味だからな、薬のんだかな?いや、その前になにか食べたかな?・・・顔みるだけだから・・サムチュンに報告しないとな・・・・・・・なに、迷ってるんだ、俺は、兄として当然のことだ。そうだ、兄として妹の見舞いだ。そうだ・・・それでいい)
思い切って玄関のチャイムを鳴らします。
ピンポ~ン♪
「・・・・」
「どうして出ないんだ?」
ピンポ~ン♪
「・・・・」
(まさか、倒れてる?そんな、寝てて聞こえないんだ。そうだ、電話だ!)
リーンリーン♪
「・・・・留守番電話サービスにお」
「なんで、出ないんだ」
ミヌは、手元の鍵をみつめます。以前チャンミが、渡した鍵です。

3年前
「ここか?大きな部屋だな!ほんとに一人で暮らすのか?」
「オッパァも住む?」
「ばかなこというな!」
「エヘヘ、言ってみただけよ。もっと、小さくていいんだけど、お義父さんが用意したから、見栄っぱりだからね」
「良く、許してくださったね。」
「いいの、あたしはあのうちではオジャマ虫なのよ。大学生になったら、出ていいって言われてたから。新しい奥さんも、チョンアも嫌ってるの、あたしのこと。ま、あたしもだけど。丁度よかったのよ。タイミングが」
「チャンミ・・」
「そんな顔しないでよ。オッパァ。死んだオンマは、とっても可愛がってくれたの!幸せだったんだよ。いろんなことしてもらった。お誕生日には、わかめスープもあったし、ケーキは手作りだった。おいしかったよ。いつもニコニコ優しい人だった。これが、オンマなんだぁって!チョッピリ、オッパァも忘れてた。エヘヘ・・」
「そうか、よかったな、いいんだ、俺のことは忘れても」
「でも、からだの弱い人だったから、最後の1年は、入退院の繰り返しだった。可哀想だったなぁ!ドンドン痩せて・・・」
涙ぐむチャンミを、ミヌがそっと抱きしめます。
「悪かったな、思い出させて、一緒にいてやれなくてごめんな。」
「オンマが大好きだった。本当に大好きだった。」
「もう、泣くな、な」
「うん、ごめん、泣いたりして、久しぶりにオンマを思い出しちゃった。へへ」
「さ、かたづけよう!日が暮れるぞ」
「そうだ、これ」
「なんだ?」
「何かあったら、オッパァがすぐ来てね!これが、部屋の鍵、渡しとく」
「いいよ!鍵なんか。俺が持ってたらおかしいだろ」
「だって、わたしのオッパァなんだから!だめよ!ちゃんと持ってて!」


(そうだ、俺はおまえのオッパァだ)
そっと、鍵を差し込みます。
「チャンミ?チャンミ?オッパが来たぞ!寝てるのか?大丈夫か?」
大きな部屋の片隅で、チャンミが丸まっています。
「チャンミ・・なぜ、ベッドで寝ない」
ミヌが額にそっと手をあてます。
「熱はなさそうだ。よかった・・・」
チャンミをベッドに運び枕をあてがい、布団をかけて、しばらくミヌはチャンミを眺めていました。
(俺のことで悩むのはもうやめにしろ。俺はオッパァ以外なれない。そうしないと、お前のそばにいられないんだ。な、わかってくれ)
ミヌの目から涙が一筋ながれました。
(どうしたらいい?どうしたら・・)



ン・・
(寝ちゃったんだぁ、あれ、ベッドで寝た?私。はっもしかして、オッパァ?)
そっと、部屋を見回すと、窓際にミヌが立ってます。いつもと違う、厳しい顔で、外をみています。
「オッパァ」
「ん・あぁ、起きたのか?どうだ、気分は?何かたべるか?」
もういつもの優しいミヌの顔です。
「やっと、鍵使ってくれたね」
「電話にも出ないし、しかたない。もういいのか?おかゆでも作ろうか?」
「ううん、食べたくない」
「なにか食べたほうがいいんだけど、薬も飲めないし」
「朝、食べる。明日作って」
「そうか、じゃ、もう寝ろ。明日、朝、持ってきてやるから」
「オッパァ」
「・・なんだ?」
「朝まで、ここにいてくれない?」
「チャンミ・・」
「ね、寝るまででいいから、お願い、何も言わないから、黙って寝るから、ね、」
「・・・」
「この部屋は、大きすぎて嫌い。いいよ、帰って」
そういうと、チャンミは枕を持って起き上がりかけました。
「お、おい、どうするんだ?そこで寝ろよ。」
「いいよ。帰って」
「チャンミ・・わかったよ。もう少しいてやるから、ちゃんとベッドで寝ろ」
「寝るまでだよ」
「わかったよ、ほら、」
「うふふ、オッパァもここで寝る?」
「いいかげんにしろ、帰るぞ!」
「あぁん、ごめんなさい。もういいません。寝るから、ね!」
ミヌは、ソファにこしかけました。
キレイなミヌの横顔は、また厳しくなりました。
「オッパァ・・」
「・・・」
「オッパァ、なにかあったの?」
「黙って寝る約束だ。」
「オッパァ・・」
ずっとオッパァを見ていたかったのに、チャンミはいつの間にか寝てしまいました。
ミヌは、寝顔にそっと触れます。
(ごめんな!チャンミ、お前を手放す時期がきたようだ。いつまでも、お前を見ていたいけど・・・・俺ではダメだから・・・・しょうがないよな。あの時、花を抱えて僕を待ってたおまえに、俺は救われた。どうしようもない絶望感のなかで、おまえだけが救いだった。あの時突き放せなかった俺が悪いんだ。今さら、離れようとして、おまえを困らせてる。バカだよなぁ、オッパァは・・。きっと、おまえを愛してくれるやつが現われるから、
な・・・ごめん、チャンミ)
翌朝、チャンミが目覚めると、テーブルの上におかゆがありましたが、ミヌはいませんでした。
「オッパァ、どうしたの?急に、なんなのかわからなよ~!どうしたらいいの?」


「チャンミ」
「ジソプさん、おはようございます」
「今日はどうだ?お、よく寝たみたいだな!昨日、ミヌは来ただろ?」
「はい、でも、やっぱり、様子が変でした。ほんと、何があったんですか?」
「さ、さあな。悩める少年さ!」
「ジソプさん、マジメに答えて!」
「俺が、思うにだ。やつは、おまえの兄であろうとしてる」
「ジソプさん」
「お、おいおい、泣くなよ!話はこれからだ。やつの本心を知りたいだろ」
「んー、でも怖い。やっぱり、妹なのかな?見込みないのかなぁ」
「しばらく、離れてみろよ」
「えっ」
「逢いにいくなってことさ!もちろん、電話も、メールもだめだ。」
「そんなこと・・・」
「おまえも、その間、考えろ!兄なのか、男なのか」
「オッパァは、私の初恋なの」
「3つだったんだろ」
「ううん、15だった。はじめて、アジョシの店にお友達といってから。カッコいい店員さんがいるって、評判だったから。」
「あぁ、そりゃ俺だな。なんてな!ミヌだって気がつかなかったのか?」
「6歳で別れて、写真も一枚もなかったし、1度も会えなかったから、13歳のオッパァはもう顔もおぼろげだった。」
「そうか、1度も会わなかったんだ。それじゃぁな。」
「お友達と来てたら、不良にからまれて、オッパァが助けてくれた。強かったし、やさしかった。」
「ア、あの時のあいつら、」(だから、仕返しにきたのか!なんてこった。)
「うれしくて、次の週にお花を持ってお礼にきたら、お店が閉まってたの」
(あいつらが、襲ってきたのは、次の日だったよな)
「悲しくて、悲しくて、毎日あいてるか見に来たの。1ヶ月ぐらいで店は開いたけど、オッパァはいないし、アジョシもいなかった」
(しかたないよ。ミヌ、おまえ知らずにチャンミを守ったのか?)
「お店の人に聞いたら、ここの人はしばらく帰ってこない。って、言われて、それ以上おしえてくれなかった。ね、ジソプさん、あの時オッパァ、どこにいたの?」
(どこに?言えるか、そんなこと!マスターがやられて、ミヌは、3人病院送りにして、ナイフを出した男を、誤って刺してしまった。まだ、16だった、あいつらの一番下の弟を、事故とはいえ殺してしまったんだ!どうやって言えばいい?3年も刑期をもらって。ミヌは後悔のあまり、死のうとまでしたのに・・・・これも、運命か?ミヌ)
「なんだか、学校の都合で研究のため、遠くに行ったらしいよ。マスターもついでに持病を治しに入院したのさ、たしか」
「そうなんだ。それから、時々覗きにきたんだけど・・・・わたしも受験だったから」
「いつ、ミヌってわかったんだ」
「大学に入ったら、オッパァに逢いに行っていいって、お義父さんにいわれたの」
「捜したのか?」
「ん、孤児院に聞きに行ってもらったら、アジョシの住所を教えてくれた。それが、あの店だった。高校生の時のオッパァの写真ももらった。驚いた!あの人だった。オッパァだったんだって、うれしいより悲しかった。初恋だったのに・・・オッパァなの?私は妹なの?って」
「血はつながってないだろ?」
「うん、でも、オッパァには、私がわかったの。大学に入って、久しぶりに店を見に来たら、アジョシと、ジソプさんと、オッパァが帰ってくるところだった。
あたしは、名乗らなかった。名乗りたくなかったから、ただ、花束を抱えて待ってたの。
そしたら、オッパァが私を見つけて・・・・『チャンミ・・』って、泣きながら、抱きしめてくれた。」
「そうだ、おまえに始めてあった時、そう、ミヌはおまえの名を呼んだな」
「オッパァにとって、永遠に妹なのかなぁ?やっぱり、ジソプさん」
(いくら、別れた時13歳でも、6歳と18歳では面影はあったとしても、はっきりわかるもんじゃないだろ?ミヌ、おまえ、最初から知ってたのか、始めてきた時から、チャンミを知ってたのか?知ってて不良から、助けたのか?え?そうなのか?なんてこった!)
「ジソプさん?」
「あぁ、ごめん。俺もミヌにそれとなく聞いといてやるから、すこし、おまえにあえなくてヤキモキさせてやれ!な、」
「どのくらい?」
「日曜には社長がミヌに会いにいくだろ。そしたら、なんとか、なるだろう、な!」
「そうかなぁ、オッパァに逢えないと、私のほうが参っちゃいそう」
「頑張れ!チャンミ!ファイティン!」
「変なの!」
(ミヌ、いつからチャンミに気づいてた?え?女としてチャンミを見てるんじゃないのか?俺の感が狂ったか?)


「ミヌさん」
「・・」
「ミヌさん!」
「あぁ、ヘオンさん、どうしました?」
「お店の掃除は終わりましたよ。どうかしたんですか?」
「え、僕が?なんともないですよ。」
「そぉ?なんかぼんやりして」
「気のせいですよ。それより、ヘオンさん、少し話をしていいですか?」
「え、えぇ、」
「まだ、開店には少しあるから、散歩に出ましょう?」
「はい、・・・」
裏の堤防を歩く二人。
「あの、ヘオンさん」
「はい」
「まだ、話していただけませんか?」
「・・・なにを」
「赤ちゃんのお父さんです。」
「そ、それは・・」
「どんな人です?」
「優しくて、強い人です。」
「赤ちゃんのこと、知ってます?」
頭を振るヘオン
「言わずに別れてきたんですか?」
「別れることになってたんです。もうその時。」
「だけど、知らせないなんて!知ってたら別れなかったかもしれないじゃないですか?」
「引き留めたくなかった。せっかく、彼が決心したのに」
「そんな、子供はどうなるんだ?」
「興奮すると、敬語じゃなくなるのね。ミヌさん」
「ヘオンさん!」
「考えても考えても、結論はでないの。ミヌさん、子供のこと考えるとすごく不安だし、でも、彼も大変な時だから、ジャマしたくない」
「その人は、あなたのこと探してるんじゃないですか?」
「そうかな?そうかもしれない。でも、今は行かないわ」
「でも、・・」
「やめましょう、ミヌさん。それより、ミヌさんの、悩みは」
「え?僕、僕は何もないですよ」
「そう、2,3日チャンミさん、みませんね」
「そうですか?仕事が忙しいんじゃないですか?毎日来るわけじゃないし」
「心配?」
「してませんよ」
「そう?そうはみえないけど」
「そろそろ、開店の時間だ。戻りましょう。ヘオンさん」
「はい、はい、ごまかされたわ」


閉店時間
「ヘオンさん、じゃぁ、おやすみなさい。よく休んでね」
「ありがとう、お疲れ様でした。マスター、ミヌさん、おやすみなさい」
「あぁ、おやすみ、ヘオンさん、」
「ミヌ」
「おう、どうした?ジソプ。もう、終わったぞ」
「おまえに聞きたいことがあるんだ」
「何だ?」
「ちょっと」
「ん、あぁ、サムチュン先に帰って!」
「お、なんだ、ジソプや、わしは仲間はずれか?やれやれ、チャンミもこんし、つまらんこった」
「わるいな!マスター今度おごるよ」
「お、そうか、まっとるぞジソプ、じゃあな!おやすみ」
「サムチュン、気をつけて」
「年寄り扱いするな!おまえも気をつけろよ」


「なんだよ、話って」
「おまえさぁ、その・・」
「なんだよ、もったいぶって、酒でも飲みにいくか?」
「いつから、チャンミが、わかってたんだ?」
「えっ」
「チャンミが最初にここに来た日、俺たちがおまえを迎えに言った日、花を持ってたチャンミを見た日、あれが、最初じゃなかったんだ。そうだろ?」
「何の言ってるのかわからない」
「おまえは、あの時はっきりと『チャンミ』って言ったんだ!違うか?わかってたんだ、6歳の子が18歳になって訪ねてきたってのに。」
「ジソプ」
「おまえにとって、チャンミはやっぱり、妹か?どうなんだ?」
「そうだなぁ、妹かもしれない」
「ミヌ!」
「熱くなるなよ、ジソプ」
「おまえ・・・」
「あいつに、初めて会ったとき、俺は10歳だった。両親が事故で一度に亡くなって、そのまま施設に送られて・・・死にたいくらい悲しかった。そんな時あいつにあったんだ。まだ3歳だったけど、両手に花を抱えて・・・天使みたいだった。すねて泣かせた僕に、花をくれた・抱きついてくれた。・・・心がふんわり軽くなって、生きていけそうな気がしたよ。僕にとってそういう存在なんだ。」
「ミヌ・・」
「大学生になったばかりのころ、偶然、雑誌でチャンミをみつけた。よくある金持ちのファミリー写真さ!ユン家の秘密って題だった。秘密ってなんだ?って開いたら、娘はチャンミ一人のはずなのに、2人写ってる。父と母と娘、少し離れてもう一人の娘。母親そっくりの娘は当然違うから、隅に立ってるのがチャンミだった。よく記事を読んだら、どうやら、チャンミを欲しがった奥さんは、1年前に死んで、それで、子持ちの女と再婚したらしいが、その子はなんと、父親の本当の娘らしいって書いてあった。つまり、前から出来てたのさ!」
「施設に帰さなかったんだ。」
「そのままにしたらしい。対面もあったろうし、なにより入り婿だったみたいだ。奥さんの財産はチャンミに譲られたって後で聞いたよ。でも、チャンミは笑ってないんだ。写真の中で・・・ショックだった。幸せにと送り出したのに、どんなに孤独だろうって。飛んでいきたかった。でも、せめて大学をでて、就職しないと、面倒はみられないし、迎えにいけなかった。それで、こっそり会いにいったのさ。影からみるだけでもって」
「あえたのか?話したのか?」
「一人で歩いて学校から帰ってくるんだ。もう一人は母親と車で帰ってきたのに・・・思わず前に出ちまったよ。キョトンとして俺がわからないみたいだった。そうだよなぁ!まだ、6歳だったんだから・・じっと見てる俺が不審者にみえたらしい。大急ぎで、玄関に行こうとするから、
『ソジソプって大学生の子の家知らない?』って聞いちゃったよ。」
「そんなとこに住んだこと無いぞ」
「わかってるよ。話したかったんだ、だた、声が聞きたかった。そしたら『このへんに、ソさんって家も、大学生もいないと思いますけど、なんなら、聞いてきましょうか?うちのお手伝いのオバサンなら知ってるかも。』って、ニッコリ笑ってくれた。あの時の笑顔と変わらない天使だった。涙が出そうになってあわてたよ。『いや、いいよ、本人に電話するから、ありがとう』って大急ぎで離れたさ。振り返ってみると、まだ、こっちを見てた。手を振ったら、振り返して笑ってくれた。それから、時々見に行ってたけど、会うことはしなかったよ。」
「そうか、知ってたんだ。やっぱり」
「でも、いきなり店に来た時はビックリしたよ。中学生なのにこんなとこに来て、しかってやりたかったけど・・・出来ないよな。ハハ・・その時、あいつらに絡まれたんだ。
チャンミの肩に触れて・・・許せなかった。後は、知ってのとうりさ!話はこれだけ。
気が済んだか」
「ミヌ、あんまり、おまえ、それじゃ、つらいだろ。いいじゃないか!他の男に渡せないんだろ!おまえの生きる全てじゃないか!」
「そうさ、全てだよ!だから、1点の墨も付けたくない!あいつは、養女に行って、金持ちにはなったけど、寂しく生きてきたんだ。だから、愛情のこもったあたたかい家庭を築いて欲しいんだ」
「おまえがしてやればいい!チャンミの愛は、おまえだよ!あいつにとっても全てだ。わからないのか?」
「近くにいすぎて誤解してるだけさ!俺は兄だ!」
「ミヌ!」
「もう、蒸し返すな。決めたんだ。お願いだから、やめてくれ・・たのむ。あの時、チャンミを帰せばよかった。いや、ソウルに出てこなければ・・いっそ、両親と死ねばよかった。チャンミに会う前に」
「ミヌ!やめろ、そこまで、攻めるなよ、」
「あわずにいたら・・・・あいつも、諦めるさ。」
笑いながら泣くミヌに、ジソプは言葉無く抱きしめました。
「おまえだけ、どうしておまえだけ、こんなに辛い人生なんだ。おまえこそ、報われなくちゃ、そうじゃないのか?」
「俺は、いいんだ。あいつさえ笑っていてくれれば」
(おまえがいないと、チャンミは笑えないんだと、知ってるのか?)



ー完結編へ続くー

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